勧告 ITU-R M.2164-0

 翻訳をしてみました。総務省告示に掲載されたWRC最終文書(Final Acts)と英文の最終文書を比較しますと使用されている英単語にあてられる日本語の単語はほぼ決まっているようです。以下の訳はこれに従っているかは保証できないです。また、単語だけでなく文章の解釈についてもあくまで仮訳としてご覧ください。厳密な解釈は原本でお願いします。

 

勧告
 周波数帯域1 240~1 300MHzの全部または一部において、自国全域でのアマチュア及びアマチュア衛星業務の運用を許可または継続することを希望する主管庁は、RNSS(宇宙から地球)を保護するため、付属書に記載されている技術的及び運用上の措置を指針として使用すべきである。

 

付属書

 認識された事項b)及びc)を考慮し(訳者注)、本付属書は、RNSSを保護するために、周波数帯域1 240~1 300MHzの全部又は一部において、自国の領域全体でアマチュア及びアマチュア衛星業務の運用を許可又は継続することを希望する主管庁が指針として使用する技術上及び運用上の措置を定めるものである。
RNSSを保護するための他の措置は、その国の状況に応じて主管庁によって実施される可能性があることを認識すること。
1) アマチュア業務で運用される狭帯域(帯域幅150kHz以下)のアプリケーションの場合:
a) 1 240-1 255.76 MHz:
e.i.r.p.*の最大値:
 -90° ≦ θ < 0°の場合 -39.0 dBW in (150 kHz) 
 0° ≦ θ < 5°の場合 -39.0 dBW in (150 kHz) 
5° ≦ θ < 25°の場合 -39.0 -1.05 (θ - 5) dBW in (150 kHz) 
25° ≦ θ < 90°の場合 -60 dBW in (150 kHz) 
ここで、θ = アマチュア局アンテナの仰角
b) 1 255.76-1 256.52 MHz: e.i.r.p.*の最大値=24dBW、
- 1 255.76 MHz以下の帯域外輻射は、上記1a)で定義されたとおりとする。 
c) 1 256.52-1 258MHz: e.i.r.p.*の最大値 = 21 dBW
d) 1 258-1 296 MHz: e.i.r.p.*の最大値=-17dBW
e) 1 296-1 298 MHz: 最大送信電力** = 17 dBW
f) 1 298-1 300 MHz: 最大送信電力** = 22 dBW
- アマチュア業務用の地球-月-地球の狭帯域用途で、水平上方 15 度以上の対称高性能アンテナ(ボアサイト利得 30dBi 以上等)を使用する場合:
a) 1 298-1 300 MHz: 最大送信電力** = 27 dBW 
2) アマチュア及びアマチュア衛星業務(宇宙から地球)で運用される狭帯域用途(帯域幅≦150kHz):
a) 1 260-1 262 MHz:
e.i.r.p.*の最大値:
0° ≦ θ < 15°の場合 -3 dBW
15° ≦ θ < 55° の場合 17 dBW
55° ≦ θ < 90°の場合 26.8 dBW
ここで θ = アマチュア局アンテナの仰角、
b) 1 262-1 270 MHz: e.i.r.p.*の最大値 = -17 dBW
3) アマチュア業務で運用されるアマチュアテレビ(ATV)を含む広帯域(帯域幅>150kHz)の場合
a) 1 240-1 255.76 MHz:
e.i.r.p.*の最大値:
-39.0 dBW in (150 kHz) for -90° ≦ θ  < 0°.
-39.0 dBW in (150 kHz) for 0° ≦ θ  < 5°.
-39.0 - 1.05 (θ - 5) dBW in (150 kHz) for 5° ≦ θ  < 25°
-60 dBW in (150 kHz) for 25° ≦ θ  < 90°、
ここで、θ = アマチュア局アンテナの仰角、
b) 1 255.76-1 256.52 MHz: e.i.r.p.*の最大値=24dBW/150kHz、
- 1 255.76 MHz以下の帯域外輻射は、上記3a)で定義されたとおりとする。
c) 1 256.52-1 258MHz: e.i.r.p.*の最大値=21dBW/150kHz。
d) 1 258-1 300 MHz: e.i.r.p.*の最大値=-17dBW/1MHz。
4) アマチュア及びアマチュア衛星局のアンテナが、ITU-R M.2513-0に含まれる代表的な値(地上からの代表的なアンテ ナ高さは25m)よりもはるかに高いアンテナ高さに設置される場合、ITU-R M.2513-0に記載された制約事項に加えて、更なる制約事項または制限事項がある。
特にレピータや伝搬ビーコンのような "恒久的な設置 "と呼ばれるアマチュア局のカテゴリの場合、主管庁は上記1)から3)に記載されたものに加えて、さらなる制約や制限を考慮する必要があるかもしれない。
5) 上記 2)に加え、アマチュア衛星による周波数帯 1.260~1.270MHz の利用が増加する場合、主管庁はアマチュア衛星運用のデューティサイクルに制限を適用することを検討することができる。
6) 周波数帯域 1 240~1 256MHz において:
- 主管庁は、上記周波数帯の航空RNSS受信機を使用する近隣諸国の国境付近の空港付近でのアマチュア送信を考慮した二国間または多国間協定を検討すべきである。
- 主管庁は、上記周波数帯の航空RNSS受信機を使用している国の空港や空港の近くに局アンテナメインローブが向かないように、アマチュア局の位置について留意すべきである。


* ここで、e.i.r.p.とは、アマチュア局の輻射電力をいう。
** 最大電力とは、送信機からアマチュア局のアンテナに送出されるピーク包絡線電力または搬送波電力(適切な場合)をいう。

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(訳者注)

ここでは省略しましたが、本勧告の「recognizing」に以下の記述があります。

b) 周波数帯域1 240~1 300MHzも二次的基礎としてアマチュア業務に割り当てられること;
c) アマチュア衛星業務(宇宙から地球)は、RR第5.282号の規定(さらに訳者注)に基づき、周波数帯域1 260-1 270MHzで運用することができること;

 

(さらに訳者注)

RR第5.282号

 435-438MHz、1260-1270MHz、2400-2450MHz、3400-3410MHz(第二地域及び第三地域に限る。)及び5650-5670MHzの周波数帯においては、アマチュア衛星業務は、分配表(無線通信規則第5.43号参照)に従って運用する他の業務に有害な混信を生じさせないことを条件として、使用することができる。この使用を許可する主管庁は、アマチュア衛星業務の局の発射によって生ずるいかなる有害な混信も無線通信規則第25.11号の規定に従って直ちに除去することを確保する。アマチュア衛星業務による1260-1270MHz及び5650-5670MHzの周波数帯の使用は、地球から宇宙への方向に限る。
(以下のサイトから引用)

総務省 電波利用ホームページ | 脚注の検索 (soumu.go.jp)